Interview Vol.2


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Vol.1 Vol.2 アカマトシノリ

-Vol.2-


希望を持ってたから、ここからまた頑張りたいと純粋に思ってた

–2011年は自分たち主導で何かをしようと模索した年になりましたよね。それまでは曲を作ってプレイすることが中心だったけど、ONION ROCK RECORDSという名義になればその他の作業も加わったでしょうし。3rdシングル『Whatever / I’m gonna thrill you』を発表するにあたって、思うこともあったのかなと想像します。
チフネ
そうですね。ただ、それまでだって自分たちからリリースを欲してやってきたわけだし、結局やることはそこまで大きくは変わらないかなと。この作品に関していえば、自分たちのみのアイデアとタイミングで、改めてデモCDを出す感覚に近かったですね。とは言え、やはりこれからどうやって活動していくかとか、新しい夢や目標は何かとか考えたりと悶々とした部分もあり、2011年はなんとも言えない気持ちで過ごしてたように思いますね。
アカマ
やっぱりチフネはブレインだからさ、頭を使っていろいろ考えなきゃいけないけど、オレとドウメンはより良い曲を作ってみんなに聴いてほしいぐらいにしか思ってなかったというか。ただ、振り返ってみるとTIGHT RECORDSという、言ってみれば大きな看板が外れた緊張感みたいな感覚があったようには思うかな。
ドウメン
あ~、それはそうだね。
チフネ
少しシーン的なことを話すと、このへんぐらいからラウドなバンドとかが盛り上がって来てる感じで。いわゆるメロディックパンクに限らず、昔からやってきたバンドたちもシーンの流れを少なからず喰らうわけで。オレはそれを凄く感じてました。さらに、TIGHTという看板がなくなると、みんなが目に触れる機会も減るかもしれないし。
–それまでのHOTSQUALLが大々的にやったイベントやツアーファイナルはソールドか、それに近い状況ばかりでしたけど、ちょっと厳しくなってくる雰囲気もあったと。
チフネ
そうですね。それはオレら自身に原因があるのかもしれないし、はっきりとはわからないけど。シーンの移り変わりで、たくさんの慣れられてしまったバンドが淘汰されていくだろうっていう焦燥感が多少はありましたね。
–そういったところでは、2012年の3rdフルアルバム『Driving Squall』はいろんな覚悟が込められた作品だったと思います。加えて、リリースの形態も今につながる形になりました。
チフネ
1年半ほど自分らで会場とindiesmusic.com限定の『Whatever / I’m gonna thrill you』を出したりして活動してから、ONION ROCK RECORDSとして正式に流通会社と契約をしました。作品をリリースするにあたっても、プロモーションとかも今までと違うことだったり、やってなかったアプローチとかにも手を伸ばしてみることができて。なにか面白くなっていくかも、という思いもありました。
–この年は10-FEETが主催する京都大作戦にも初出演しました。
アカマ
ちょっと先の話にはなりますけど、あの経験は千葉の野外でやるONION ROCK FESTIVAL(以下、オニオン)にもつながりましたね。出演してみて、10-FEETが自分たち主導で隅から隅まで動いてる姿も目の当たりにしたし、主催バンドとしてどう立ち回るべきかとかにも気づかされたり。
ドウメン
あとはシンプルに、見上げたら空だし、視界としても景色が広がっていて。ああいうところで爆音を鳴らすのはめちゃめちゃ気持ちよかった。やっぱり、野外ライブはいいなって。
–このあたりはバンドが上手く動いてる手応えもあったり?
チフネ
どうなんだろう……そういう気持ちはあんまり感じてなかったかな。それよりも希望を持ってたから、ここからまた頑張りたいと純粋に思ってましたね。もう、界隈のシーンにはある程度は名前も知れ渡ってたかなと思うし、そうなってくると当然新鮮味はなくなってくるわけで。新しくていいバンドはどんどん出てくる。何も考えずガムシャラに駆け抜けてきた時期を経て、さあ、ここからどうやっていくべきかなってずっと考えてた気がする。まあ、それって今でも変わらないんですけど(笑)。
–それなりに先を見据えられるような状況ではあったと。
チフネ
うん、それはそうかもしれないですね。

憧れだけで始めたバンドが人生になっていく変わり目

–バンド内としてはどうでしたか?
チフネ
この時期あたりからかな、よくケンカしてたような(笑)。
アカマ
そうだね(笑)。メンバーひとりひとりの目線がほんの少しでもズレてくると、どうしてもぶつかることが増えて。昔から何でも言い合える仲だからこそなんでしょうけどね。
チフネ
目線や熱量を合わせるのってたいへんなんだなと感じたのがこのあたり。バンドって好きで勝手に始めてるわけだから、道筋を知ってるコーチや監督がいるわけじゃないし、いい歳した大人が集まってなにかを目指してやるっていうのはやっぱりたいへんなんだなと。
–それこそ、ひとりが100%の熱量だったとしても、他のメンバーが120%だったら物足りなくなるわけだし。
チフネ
そうなんですよね。逆にそれが面白いとこでもあるんでしょうけど、その擦り合わせがバンドの永遠のテーマじゃないですかね。
アカマ
曲作りやライヴについてもそうだけど、その根底にある、大げさな話じゃなくHOTSQUALLに対してどこまで本気なのか、愛情はどれくらいなんだっていうところで感情的になる場面も多々ありましたよ。
–今だから笑える事件はあります?
チフネ
この件はここから数年は続きますけど、大丈夫ですか?(笑)
一同
ハハハハ(笑)。
チフネ
まあ、あえて簡潔に言ってしまえば、ドウメンがついてこれてないように感じてました(笑)。
ドウメン
うん、たしかにそうでした……。
チフネ
こっちとしては、これからのためにも成長を求めていくと、当然お互いにいろいろな要求のハードルも上がっていくわけで。それについていけず面食らってるような感じだったんじゃないかな。あとは、さっき話した大作戦の感想とかでも、野外で気持ちよかったと言ってましたよね。それだけかい!って(笑)。今になって思えば、ただそれを楽しめるのはドウメンのいいところなんでしょうけど。やっぱりギラギラしてるバンドマンとして目が行くのって主催の10-FEET、そこに注目しちゃうもので。自分たちよりも以前から活躍してる人たちが今でも最前線で、それまで以上に素晴らしい景色を作ってる。大トリでどんなライヴをするのか、そもそもどういう考えや動きで運営しているのか。もちろん、自分たちが出演した喜びは当然あって最高に楽しいんだけど、それだけじゃ終われないというか、絶対に何かを得て帰りたいとオレは思ってたから。
–10-FEETは、HOTSQUALLがやってみたいと思ってることをちゃんと実現してるわけですからね。
チフネ
だから、規模に関係なく自分たちもやってみたいと改めて感じたし。とにかく、環境も生活も変わって、メンバーとのほんの少しの目線のスレ違いや、例えばドウメンなりの歩幅というのを理解するには何年もかかって。それがこのあたりからかもしれないです。
–それぞれの視点で、客観的な目線や設計図を意識すべきだと考え始めたチフネさんとアカマさん、単純に感覚的な楽しさに惹かれてたドウメンさんとのズレがあったと。
アカマ
それはあったと思います。
ドウメン
そうですね。あのころはそこまで考えることもできなくて、それまでの流れのペースくらいでしかオレはやれてなかったと思う。もともと物事を深く考えるのも得意じゃないし……。バンドにかなり迷惑をかけたり、不甲斐ない姿を見せてしまった実感はあります。
–ただ、性格や価値観もあるし、何が正解かは難しい話ですよね。
アカマ
今となっちゃどうだったのかわからないけど、そこでずっと気持ちを共有して足並みを揃えてきてた3人が、妙に悟って「まあ、そんなもんだろう」とへんに大人になるのも違うし。その程度で妥協点を探してるようだったら、あの時期でバンドが終わってたんじゃないかな。
チフネ
そう思えるのも、今改めて振り返れば、というくらいなんですけどね。みんなそうだと思うけど、必死なときほど視野も狭くなってたりするだろうし。さっきも言ったけど、楽観的なのはドウメンのいいところでもあるんでしょうけど、のほほんと日々の生活を過ごして、ただそのときが楽しければいいという感覚とはオレは違いましたかね。とはいえ、3人ともバンドを辞めたいとは思ってなかったんです。
–よく聞くのは、そういうズレで辞めたり、解散したりするじゃないですか。
チフネ
そこはドウメン大先生に伺うのがいいと思いますけど(笑)、このバンドの性格としてひとつ言えるとしたら、ぶつかったりしたとき、そのままうやむやにしないでとことんまで話し合うことかな。ぶつかればそりゃムカつくし、会話をするのも面倒くさいものだけど、それでも無理やりにでも扉を開けて「あのときの話なんだけどさ」って。
–そうなったとき、ドウメンさんも扉を閉めることはない?
ドウメン
そうですね。閉めないように努力してますね。オレもHOTSQUALLをやりたいし、辞めたいと考えたこともないから。まあ、閉じても開けられちゃうということもあるけど(笑)。
一同
ハハハハ(笑)。
アカマ
と言っても、主にぶつかるのはオレとチフネで、ドウメンとはぶつかる感じじゃなかったですね。ドウメンは特に意見も言わないでフワッと頷いてるタイプだからぶつかりようがない(笑)。まあ、まさにそういうところが不満だったわけですが。とにかく、憧れだけで始めたバンドが人生になっていく変わり目でしたね。楽しいとこだけ見てるようなら続けられない。バンドに対して、実感できるほど凄い熱量を注いでいるわけだから、感情とかもより赤裸々になってる感じがありました。

勢いだけじゃなくて、それが現実的になってる感覚もあった

–よりエンジンに火を入れて突き進まないといけない2013年には初の映像作品となった1st DVD『HOTSQUALL FILMS -Driving squall TOUR 2012 FINAL-』を発表した後、3rdミニアルバム『Place in the sun』をリリースしましたよね。
アカマ
明るく開けていくような印象がありましたね、『Place in the sun』には。凄く好きな作品です。
チフネ
こうやって振り返ると、各作品に今も演奏する大切な曲がちゃんと入ってますね(笑)。
–そこを経て、2014年3月には結成15周年を記念して、渋谷O-EASTと渋谷O-Crestの2会場を使ったONION ROCK FESTIVALを開催しましたが、チケットもソールドアウトして大盛況だったと思います。
チフネ
シーンがどんどん移り変わってる印象がある中で、歴戦の仲間が集まってあの盛り上がりは嬉しかったですね。
アカマ
あれ、最高だったな、15周年。その後にベストアルバム『Laugh at life』を出したのか。
–ベストアルバムを出すタイミングって、バンドによってそれぞれですよね。言ってしまえば、バンドの墓場というようなことにもなったりしますし。
アカマ
だから、オレたちとしてはベストアルバムというより、これまでライヴで愛されてきた曲を新録した作品という感じで。
ドウメン
そのテイストが意識としては強かったですね。
–収録曲の中心となったのは『YURIAH』と『BACKBEAT』でした。
チフネ
ライヴの最前線にいる曲たちを、より良い音やテイクで聴いて欲しいと思ってて。まだまだ未熟だった時の曲たちを録り直してみたいなと。それと、最もライヴで育った曲がおそらく(『YURIAH』に収録した)「Laugh at life」かなというのもあって。そこを打ち出して、ずっと存在してなかったそのMVも録ってみたかったんです。
–15周年でベストアルバムが出ると、ひと区切り感もあったのかなと想像しますが、そのあたりは?
チフネ
その気持ちはなかったですね。むしろ、そう思われたくないから、すぐに新作も出したいと考えてました。
–2015年に入り、4thシングル『NEW』をリリースしましたね。
チフネ
これまた、オレら的には新しいアプローチでしたね。曲の候補はいろいろあったんですけど、メンバーやスタッフとも話し合って、バラード色が強めの曲を前へ押し出すことにしたんです。やってないことをやりましょう、と。こうやって振り返ると、いろんなことを考えたり迷ったりしながら、実験的に活動してますね(笑)。
–そういった中で、地元である千葉の稲毛海浜公園を会場とし、念願であった野外でのオニオンがこの2015年からスタートしました。
アカマ
2014年にやった渋谷のONION ROCK FESTIVALで「次は千葉で野外だ!」って叫んで。オレが突拍子もないことを言い出したようだけど、勢いだけじゃなくて、それが現実的になっていく感覚もあったんです。
チフネ
この存在は正直デカかったです。この数年の時期にオニオンがなかったら立ち止まってたかもしれないです、HOTSQUALL。
–それが支えになったような?
チフネ
そうでしたね。こんな幸せな日があるんなら頑張れる、というか。とにかく時間が過ぎるのは早いし、個々の生活環境も変化していくし、バンドシーンの移り変わりも激しい、となると少なくとも自分たちから発信しないと完全に停滞していってしまう。そこで、オレたちにはオニオンがあるというのが大きくて。千葉を想う気持ちもあるし、誇りにも思えるし、幸福感が凄いから。
アカマ
チフネが言う通り、オニオンがこれからバンドが進むべき方向を指し示してくれてるような。あの景色やステージをみんなで想像しながら曲作りをするようにもなったりして。
–それこそ、『NEW』に収録した「Viva all living!!」はオニオンのテーマソングみたいな位置づけでしたよね。
チフネ
あ~、そうでしたね。あの2日間、やるまではとんでもないプレッシャーがあるんだけど、とにかく幸せを感じられて。反省点もいっぱいあったけど、活動をする上での精神的な支えのポイントにもなりました。

表現する幅というか、その線引きをしてたのかもしれない

–そして、2016年に4thミニアルバム『Believer’s Hi』をリリースしました。
チフネ
今現在、あんまりライヴでやってない曲が多い作品ですね。たまたま今のモチベーションとは合わないってだけで、またきっとやりたいですけど。
–日本語詞をメインにした「Green Winds」もそうですけど、驚きがある作品だったと思います。これは不正解だった?
チフネ
いや、全然そういう感覚じゃないんですけど、とにかく挑戦して試してるんですよね。バラード調を前へ打ち出した『NEW』があって、日本語詞をよりメインに据えてみた「Green Winds」が収録されてる『Believer’s Hi』があって。そのときは本気だし、そのやり方を信じてはいるけど、自分たちのバンドの輪郭的にはどれがハマるのか試行錯誤してた。時間と労力はかかるけど、そうするとやがて中心が見えてくるので。
–挑戦的に踏み込んだ作品ではあったと。
アカマ
もちろん、オレらがやりたいことをその都度、絶対的にやっているのは確かです。ただ、表現する幅というか、その線引きをしてたのかもしれないですね。いろんなカッコよさがあるけど、自分たちで表現できるモノはどの範囲なんだろうと。そういう意味合いがあったような……そのときは必死だったから、無我夢中でしたけどね。
–このあたりの時期、バンド内の関係性としてはどうでしたか?
チフネ
ぶっちゃけちゃうと、2015年から2016年の真ん中ぐらいまでが、いちばんメンバー間がヤバかった気がする(笑)。
アカマ
あのとき、しんどかったな(笑)。
チフネ
メンバーと一緒にいる時間も多くなると、その分言い合う回数も増えたし。さっきも話に出ましたけど、この時期はドウメンが生活環境も変わったりしてて、完全にバンドのペースについてこれてなかったような。で、そこに苛立つオレとアカマっていう(笑)。
アカマ
でも、投げやりな気持ちにはなってないです。3人とも活動を諦めてるわけではなかったから。
–いちばんのズレはどこにあったんでしょうか?
ドウメン
なんだろう……まず、自分のやりたいことや、気持ちも実生活もまったくバランスがとれてなかったですね。どんどんとアンバランスの積み重ねになっていってたみたいな。別に今だって、すべてが安定してるわけじゃないけど、心にはいくらか余裕があるわけで。ただ、その時期は時間も金も精神的な余裕も本当になかったから。オレは愚痴るタイプでもないので、勝手に追い込まれて、どうしていいかわからなくってました。メンバーはずっと声をかけてくれてたんですけどね。
チフネ
まあ、若いころってなぜか時間があるし、その中である程度好きにバンドをやれるんですけど、時を経て歳も重ねてだんだん大人になっていくわけですよね。みんなそうだと思うけど、将来とか生活とか人生を考えていく中でオレたちの場合はバンドとどう付き合い、どう向き合うかの選択があって。そこにぶち当たるのがドウメンはけっこう遅かったんじゃないかな(笑)。多少の都合はあれど、条件はみんな同じようなもので、不安と戦いながら頑張って生きてるわけですし。だから、憤りもしたし、バンドとしてドウメンが担当してた部分が疎かになったりすると怒ったりもしたから。対等でありたいし、そもそもこっちだってそんなに余裕はないですからね(笑)。
アカマ
あと、ちょいちょい音信不通になって、飛び始めてたね(笑)。
–可愛く言うと、ウサギちゃんになってきたような。
ドウメン
そうっすね(笑)。
チフネ
なんで可愛く言ったんですか(笑)。
一同
ハハハハ(笑)。

決定的だったのがハイスタのツアーに誘われたこと

–さきほど2016年の半ばぐらいまでメンバー間にズレが、というお話がありましたが、だんだんと解消されていったような?
ドウメン
そうだったかもしれないですね。オレ自身もほんのちょっとずつだけど頑張り始められてきてたのかな。
チフネ
誤解して欲しくないのが、ずっとギスギスしてたわけじゃないっていうこと。その都度、喜びは共有してるんです。一緒にいい景色もたくさん見てるし。ただ、この前は凄く良かったのになんで次はこうなっちゃうんだよ、みたいなことがあった感じで。
アカマ
誰かにやらされてるわけじゃないし、契約的な縛りがあるわけじゃないし、辞めたいと言えば辞めれますもんね。でも、オレたちの凄い熱くるしい剣幕を前にしてもドウメンは「HOTSQUALLが好きだから、やりたい」って言ってた。行動とはちょっと矛盾してるけど(笑)、そういう部分も人間にはあるんだろうし。
–そこで、その都度「じゃあ、一緒にやっていこう」となるのは、傍から見たら不思議かもしれないです。
ドウメン
そうですね。
チフネ
ギリギリですけどね、いつも(笑)。本当に正直に言うと、さすがに足並み揃わないなら休止するか脱退した方がドウメンにも自分たちにもいいのかなと悩んだこともあります。
–対外的なところに迷惑がかかるのはメンバーとしてはしんどいですもんね。
チフネ
そうですね。せっかく看板を大事に背負ってやってきてるのに。でも、結局はドウメンが最後まで辞めたいとは言わなかったからですね。結局、このバンドはこの3人でスタートしてるわけだし。
アカマ
HOTSQUALLをやりたいんだなという本気が伝わってくると、もうそれ以上もそれ以下もないというか。オレもやりたいし、じゃあまた気合い入れてやろうとなる。喜怒哀楽を共有してきたわけだし、これからも一緒にいい景色を夢見れるなら、それは素晴らしいことなので。
–2017年になるとズレも解消して、またバンドを邁進できたような。
チフネ
いい感じに吹っ切れてきてるかもしれないですね。
–この年のオニオンから発売した5thシングル『WITH THE BURNING HEART』は、バンドにとって大きなキッカケになりましたよね。
チフネ
結果、そうかもしれないですね。「WITH THE BURNING HEART」を作ってるときはなんだか楽しかったな~。
アカマ
めっちゃ楽しかった!
–ここから今につながるムードが生まれたんだと思います。
チフネ
たしかに。2016年の終盤にはモヤモヤムードにも飽きてきてたし(笑)、オレ的にそこでひとつ決定的だったのはハイスタのツアーに誘われたことですね。それがこの年の始めで。最も憧れた人たちが、そのコピーバンドからスタートしたようなオレたちを呼んでくれるってことで、悩みながらも懸命に今まで歩んできた道が間違いじゃなかったと認めてくれてるような気がして。あくまで気がしてただけなんですけど(笑)。そうすると、この3人で過ごしてきた時間にブワーッとめちゃくちゃ自信が出てきちゃった(笑)。
アカマ
その後、たとえばPUNKSPRINGとかでいろんな初期衝動的なパンクバンドから刺激を受けたり、作ってた曲が「WITH THE BURNING HEART」って熱量全開な曲ってこともあって、バンドのムードも加速していった。そして、4thフルアルバム『ALRIGHT!!!』へとつながっていった気がしますね。
–ある種の開き直りだったんでしょうかね。いろいろ考えすぎてたところから、一気にシンプルなところへ向かったし。
チフネ
バンドに対して凄く肯定的な気持ちにしてくれましたね。ライヴを観に行けば、どうしたって結成当時の気持ちを思い出させられるし。あと、ここへきて改めて気づかされたこともたくさんあって。自分たちのいるライヴハウスシーンになんとなくある暗黙のルールを正解なんだと思い込むようになってたな、とか。必ずしもそうとは限らないのに。活動の中で教えられたことをそのまま飲み込んでた部分もあるのかもなって。自分たちで消化をしてオリジナリティを追求した活動をするのがカッコいいと信じてたはずだったのに。そこで、憧れた人たちがとにかく自分たちのオリジナルなことをやろうとし続けてる姿に改めて感動して。そこが理解できてきたとき、視界も開けて、明るくもなっていきました。
アカマ
それまで、自分で思ってる以上に暗黙のルールやマナーに囚われてた部分もあったのかなって。それによっていつのまにか右に倣えになってたり。それをまたハイスタがぶっ壊してくれた。オレたちにしかできないこと、オレたちだからこそできることに対して、もっと前向きに動けるようになってきた。そうなってくると、オレたちはどう在りたいっていう3人の視点がガチッと合わさってきましたね。
–「WITH THE BURNING HEART」はこれまでの流れがありつつも、新しい息吹を感じました。
チフネ
れは嬉しいですね。やっと、大きなテーマが見えてきた気がしました。結果を出すのを意識するのは大切なことだけど、結果を出すこと自体が最優先ではなくて……自分らが思い描くライヴバンドとしての在り方が少しだけわかってきたかな。メンバーに対しても、その後もいろいろなくはないんですが、あんまり気にならなくなってきたし(笑)。

悩んでたら、その後はやっぱり晴れる

–2018年はグッと踏み込みたい気持ちがあったはずですが、オニオンが会場の都合もあり、開催できませんでした。そこで出鼻をくじかれたような感はありましたか?
チフネ
いや、もう前年にはなんとなくわかってたことだったので。だから、この年は縁がなかっただけと切り替えて、ROAD TO ONIONとして千葉のライヴハウス3会場で3DAYSをやって。
アカマ
あれも新鮮だったし、個人的にすごい手応えを感じました。千葉に対する気持ちが大きくなってきてますね、特にここ数年は。
ドウメン
やっぱり、オニオンをやるようになったのは大きいと思う。バンドとしては全国で活動するけど、千葉に礎があって、千葉LOOKのバンドなんだと強く思うし。以前だと、ホームは千葉LOOKという感覚でしたが、今はもっとさらに千葉そのものに気持ちが向かっています。
–近年、ロックバンドがアコースティックや弾き語りをやることも増えましたが、HOTSQUALLとしてもアコースティックアルバム『”Acoustic Squall” vol.1』を発表しましたよね。
チフネ
今まで、いろいろな縁でアコースティックライヴをちょこちょこやる機会もあって、そうすると思った以上に評判も良くて。ギターの弾き語りっぽい感じから曲を作ることも多いから良く聴こえるのは当然だろう、と思ってたけど(笑)、それを素直に出すのも面白いかなと興味もあって。
アカマ
もうひとつキッカケとしては、昔からHOTSQUALLには爆発してるパンクロックチューンだけじゃないメロウな曲も多くて、『ALRIGHT!!!』ではそういった曲にも熱量とパワーとポジティブな想いを詰め込むことができた感触があって。だから、たとえアコースティック形式となっても迷わずにバーンっとやれそうだなって。オレたちがやれば、という自信が凄くついてきたんですよね。
–これはこれからも継続していく動きのひとつなんでしょうか?
チフネ
そうですね。やらなくちゃいけないとは考えてないんですけど、タイミングがあったら次作も出したいかな。
アカマ
お客さんからのリクエストもあるし、披露していければいいですね。
ドウメン
アコースティックって、凄く勉強にもなるんです。特にレコーディングだと音が繊細だから。リズムの出し方や、歌やコーラスの難しさを改めて感じさせられたり。
アカマ
ここでまた、メンバーそれぞれの扉が開いた気もしますね、表現者として。
–駆け足な部分もありましたが、結成からこれまでを振り返ってみました。
チフネ
こう振り返ると思ったよりなかなか悩んでる時期がありましたね、そんなイメージなさそう(笑)。
アカマ
でも、悩んでたら、その後はやっぱり晴れますね。それも、おもいっきり。
–今後について、2019年の動きで決まってるモノは何かありますか?
ドウメン
まず、なんといってもオニオンですね。
チフネ
いつもの稲毛海浜公園の野外音楽堂で2019年5月18、19日に開催します。18日は今まで通りゲストを呼んでの祭りで、19日はワンマンをやります。
アカマ
オレらとしては、2019年のオニオンは1日だけ。で、次の日は20周年の大感謝祭ということで、2015年、2016年、2017年のどれでもいいから、ラバーバンドを持ってるヤツはみんな絶対来ちゃえよ、っていう激アツなワンマンライヴだと考えてます。
ドウメン
いっぱい話し合ったけど、どうしてもワンマンがやりたかったです。野外でやれるなんてこのタイミングしかないと思って。
–20周年のアニバーサリーイアーが年明けから始まって、5月に感謝祭が来ると、そこで終わっちゃうような気もしませんか?(笑)
チフネ
いやいや、いろいろとやっていきますから! そういう意味では、ワンマンは春の大感謝祭ということで(笑)。秋から冬にかけてまた違ったイベントもドカンとやろうとか、もちろん新作のリリースも考えてます。できれば、20周年のうちにフルアルバムにできるくらいの曲を作りたいなと。
アカマ
あと! 年明け早々に楽しい情報も届けられると思うので、そのへんも含め、これからのオレたちの活動をみんなが楽しみにしてくれたら間違いなくパワーになりますね。
interview by ヤコウリュウジ
Vol.1 Vol.2 アカマトシノリ