INTERVIEW AKAMA


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Vol.1 Vol.2 アカマトシノリ

-アカマトシノリ-


いつでも熱く叫び、どこまでもまっすぐに前を見据えるHOTSQUALLのフロントマン、アカマトシノリ。パンクロックに魅入られる前からヒーローに憧れた男は、この20年の歩みの中でバンドが人生となった。自分が音楽に突き動かされたように、例えたったひとりだったとしても、すべての想いを届けた上でその向こう側へ一緒に突き進むことを願い続けている。

interview by ヤコウリュウジ

感情をぶつけ合うのは辛いときもあるけど、それは絶対に必要なことだから

――今でこそ当たり前ですけど、昔はベースを持って歌うという選択肢はあまりなかったですよね。今のスタイルはどういったところから影響を受けているんでしょうか?
アカマ
初めて(ベースヴォーカルという存在を)知って影響を受けたのはThe Beatlesのポール・マッカトニーなんですけど、ベースを弾きながら熱くパンクを歌う姿がカッコいいと見せつけられたのは、やっぱり難波さん(Hi-STANDARD/NAMBA69)ですね。
――アカマさんが影響を受けたミュージシャンを挙げるとするならば、他にどんな人がいます?
アカマ
誰かといわれたら凄く難しいです、いろいろと細かく影響を受けるタイプでもあるので(笑)。とにかく、ロックヒーローが放つオーラに憧れがあるんですよね。自分のありのままの姿だけで圧倒的な存在感を放つ人というか、ステージを観た人を魅了するのはもちろん、それ以外で触れた人たちまで、ぶっ飛んだ向こう側に一緒に引き連れていってくれる様なパワーを持つ人たちに憧れがありますし、絶対的なポジティブ感を放っているミュージシャンが好き。日本のミュージシャンでも大先輩から身近な仲間でもいっぱいいますが……タイムリーなところであえて言うなら、フレディ・マーキュリー(QUEEN)は最上級ですよね(笑)。
――とは言っても、バンドを始めた当初はそういった意識は持っていなかったんですよね。
アカマ
そうでしたね。そもそも、音楽に興味を持ったこと自体、地元の仲間じゃかなり遅い方だったし。いわゆるビジョンを持って音楽を始めたというよりも、誘われてなりゆきみたいなところがあったぐらい。でも、ヒーローに対する強い憧れは昔からありましたね。
――目指すバンドマンとしての意識がしっかりと芽生えたのはいつごろ?
アカマ
ブレずに自分にしかできないことをやろうという覚悟を決めて、その輪郭がはっきりしてきたのはここ数年ぐらいです。
――バンドインタビューでは、音楽的な部分では2ndフルアルバム『BACKBEAT』のころに思い描いたことが形になってきたという話もありました。
アカマ
あのタイミングではバンドのキャラクターというか方向性みたいな、これがHOTSQUALLなんだというのがわかったというか。だけど、ベースヴォーカルのアカマ個人としてこうありたい、みたいなところはまだ全然手探りだったし、まだ深く考えてなかったような気がしますね。
――そういったことについて、メンバー間で話し合ったりもします?
アカマ
そうですね。その当時はできなかったけど、ここ数年はより役割の棲み分けもできてるし。そうなってくると、お互いにこうした方がいいんじゃないか、もっと自分の持ち場で輝きまくるアプローチがあるんじゃないか、という前向きな話ができるんですよね。
――ただ、冷静に話ができない場面もありますよね。
アカマ
もう、熱いですよ。笑いあり、涙あり(笑)。メンバーは、HOTSQUALLとしてもっともっとカッコよくなりたいという気持ちを持ってぶつかるわけだから、そのイメージの擦り合わせで衝突するのは当たり前というか。もちろん、感情をぶつけ合うのは辛いときもあるけど、それは絶対に必要なことだと思ってますね。

事の重大さを実感して、吐き気はしてくるし、顔も真っ白(笑)

――では、少し話題を変えて、これまでの中で記憶に残るライヴを挙げるとするならば、どれになりますか?
アカマ
う〜ん……パッと思い浮かぶのは野外でやったONION ROCK FESTIVAL(以下、オニオン)の1回目ですかね。ぼんやりとしてた夢が具体的になって、それが実際の絵として見れた。死ぬ前に思い出せるってぐらいの光景でした。
――言ってしまえば、もっと大きな会場でライヴをしたことはあるけど、あの景色は焼き付いてると。
アカマ
そうなんです。大きな会場でのライヴとかももちろん記憶として残ってるんですけど、時間が経っても、あのオニオンの景色はずっと鮮明にカラフルだし。自分たちが作った空気や景色だからこそ、いつまでも色褪せないんだと思いますね。あと、ライヴ自体とはまたひと味違う話で、ハイスタとのライヴの前日、あの日も凄く強烈というか印象的で。これも一生忘れないですね。
――実際のライヴではなく、前日?
アカマ
そうなんですよ。ハイスタに誘われたときは、それこそ心臓が爆発しそうなぐらい興奮したんですけど、そこからライヴ前日まで自分でも驚くほど緊張はなく自然体でいられたんです。今のHOTSQUALLを認めて呼んでくれたのだろうから、今のオレらを背伸びせずにおもいっきりぶつけるだけで十分だと思ってたし、毎日が興奮気味でしたけど、変な気負いみたいのはなかったんです。でも、前日にまんまといろんな感情が交錯して爆発して、具合が悪くなって(笑)。
――何かキッカケがあったんでしょうか?
アカマ
その日、翌日のライヴを想いながら、ひたすらハイスタ聴いてドライヴしてたんですよ。それこそHOTSQUALLを結成したてのころのように。ゆっくり、じっくりと曲を聴いているうちに、ハイスタを夢中でコピーしてたあの頃の気持ちや景色がブァーっと走馬灯の様に蘇ってきて。そこで、改めてハイスタと対バンするという事の重大さとか人生の一大イベントみたいなのを実感してきてしまって、吐き気はしてくるし、顔も真っ白(笑)。すぐにチフネとドウメンに電話して、3人で集まったんですよ。
――そこで助けを求めるのはメンバーなんですね。
アカマ
もともと前祝いで乾杯しようぜって話してたんですけど、早めに集まってもらいました(笑)。
――とにかく早く来てくれと(笑)。
アカマ
アイツらも緊張してたみたいだけど、「なんちゅう顔色してんだ?」って言われましたね(笑)。やっぱり、その気持ちを共有できるのは家族でもなく、気兼ねなく話せる昔からの地元の友達でもなく、一緒に戦ってきたメンバーでしたね。で、想いをすべて吐き出して気持ちを改めて共有し合って、当日はしっかりHOTSQUALLのすべてをぶちかませたと思います。最高に感動的でした。遠慮なく泣いたし、あの日、流せた涙は格別でしたね。

自分のすべきことに向き合って、成長していくこと

――ライヴではなく、楽曲が何かの気付きやターニングポイントになったことはありますか?
アカマ
「Laugh at life」ですね。デモCD時代からある曲なんですけど、当時、チフネがバンドに持ってきたときは”人生を笑え”という歌詞も面白いフレーズのひとつというか、個人的にもそこまで深い解釈をしようともしなかったんです。で、そこから活動をしながらその曲を歌い続けてきて、再録アルバム『Laugh at life』を作るくらいのときかな。”人生を笑え”ということは何なのか、なぜここまで育てられたのかメンバー3人でディスカッションして。簡単に答えが出たわけじゃないけど、そのツアー中もずっと考えたり話し合ったりしてて、こういうことなんじゃないかなと気づけたんです。それまでお客さんに放ちっぱなしだったメッセージを自分たちでも噛み締めて、より共有できるようになったというか。
――それぐらいのタイミングだったか、曲を始める際に「人生を笑うことは乗り越えることだ」と口にしましたよね。
アカマ
まさにそれですね。向き合って3人で出した答えを言葉にしました。人生を笑うということが何なのか、オレたちが提示しないと無責任だと思ったし。そこまで提示した上で、みんながいろんな解釈をしてくれればいいっていう。そこをメンバーが共通のテーマとしてビシッと持てたのは大きかったですね。でも……オレ個人で言えば、まだ乗り越えられてないし、壁はいつでもずっと目の前にあって、越えたと思ってもまた次の壁が現れる。それでも、壁を押してでもぶち破ってでも前へ進むのがオレにとって乗り越えることというか。越えたいという熱い気持ちを強く持って、そこから逃げないこと。それが原動力になってますね。
――バンド活動をやる上でターニングポイントになったモノは?
アカマ
やっぱりいつもそうかもしれないですけど、今現在というところがターニングポイントなのかなと思います。そして今がいちばんHOTSQUALLとしていい話し合いや組み方ができてるし、ここからもっと良くなっていけそうな感触がある。オレがオレとして、アカマとしてというか、そうやって生きていける手がかりがつかめるんじゃないかなって。
――アカマさんが目指すイメージはどういったことになりますか?
アカマ
オレは……もっとベースヴォーカルとしてもミュージシャンとしても、そしてひとりの男としても自分が思い描くもっとカッコいい大人になりたいと思ってます。
――大人になるというのは具体的にはどういったことなんでしょう?
アカマ
良いも悪いも含めて、自分のすべきことに向き合って、成長していくことですね。若いときは自分のいいところを伸ばそうとするじゃないですか。いろんな人やモノを巻き込んで、自分自身を燃やしていくような。でも、やっぱり誰しもウイークポイント的な部分はあるわけで。長く生きれば生きるほど言い訳も上手くなって自分の弱点から目を逸らしがちになってしまうと思うんです。でも、痛みを伴うとしても理想の自分になる為に、自分のウイークポイントと真っ向から勝負する。もし、一生勝てなかったとしても、戦い続ける。自分から逃げない人が、オレにとってのカッコいい大人なんです。
――弱い部分も受け入れて、自分自身が考える理想へ向けて生きていく。先ほどの「Laugh at life」とつながる話ですよね。
アカマ
そうですね。バンドに置き換えて話すとしたら、ずっとHOTSQUALLとして曲や表現を最大限にやれたらいいし、終わる瞬間が最高でありたい。人生もそれと一緒で、体が動かなくなって、ベッドに横たわるときがくるかもしれないけど、そこで終わりにするんじゃなく、最後の最後まで努力して成長したいですね。その極めようとする姿が最高にロマンティックだと思ってるんです。

その人にとって未来にまで、その感動を繋いでいけるほどやりきる

――そして、今年は20周年という節目を迎えます。
アカマ
節目だからといって、特別に意識することはないんですけど……確認するタイミングではあるのかな。好きで始めて、同じ3人で、信じて突っ走ってきて、それが自分の人生になって。それを変わらず20年もやってこれたんだっていう。そこは感慨深いな〜。
――予定としては、まずシングルを3ヶ月連続で発表します。
アカマ
最新作である4thアルバム「ALRIGHT!!!」を完成させたことはバンド的にも個人的にも凄く自信になったんです。大好きなパンクロックの持つポジティブなパワーでぶっ飛んだ向こう側でおもいっきりみんなでハッピーになる。とても直感的でシンプルな感覚に戻れたんです。今回のシングル三部作 『Spring Trilogy』は「ALRIGHT!!!」で掴んだ感覚をそのままに、よりHOTSQUALL節がガツンと炸裂した音源ができたと思います。 まだ作品には入れてなかった初期の曲も新たに息吹を吹き込んで収録できたし、歌も今までの自分史上、最高レベルで気持ちよく歌えたので、みんなに聴いてもらうのが楽しみです!
――HOTSQUALLは昔の曲も引っ張り出して作品に収録しますよね。若さ故の稚拙さは気になりませんか?
アカマ
そういう部分が逆に新鮮で面白いところなんです。アイデアはチフネ発信ですけど、言われてピンと来たりするし。当時、上手くできなかった曲の表現の仕方も今ならわかったりして、初期の曲をやるのって凄く楽しいんですよね。
――また、5月にはオニオンも2DAYSで予定されています。初日はこれまで通りに仲間のバンドを呼び、2日目はワンマンですね。
アカマ
ワンマンはこれまで何度かやってるけど、当然、今回は特別な思い入れがあります。20年もやってこれたのって、お客さんがいてこそなわけですよ。その感謝の気持ちを最大級に爆発させるライヴにしたくて。もちろん、野外でのワンマンは初だし、もう大感謝祭だし、どんな景色が目の前で描かれるのか今からワクワクしてますね。もちろん、初日も復活のオニオンとして最重要な1日だし、とにかく今回のオニオンとスペシャルワンマンの2日間はみんなにとって最高に濃いものにしたいです。
――その記念すべきオニオンも含め、これからアカマさんがバンドで描く夢はなんですか?
アカマ
こういう時代だからこそ、その人その人にとって価値のあるモノを作れる方がいいんじゃないかと思うんですよ。たくさんの人に聴いてもらいたい気持ちはあるけど、その為に垂れ流すぐらいだったら、例えひとりでも一生忘れられないライブや作品を共有したい。オニオンに関しても、オニオンを体感した人の人生が変わるぐらいの日にしたいです。いや……もうこれからはHOTSQUALLのライヴを体感した人の人生が変わるくらい、と言っちゃってもいいのかな。オレはHOTSQUALLのアカマなわけだし(笑)。それくらいの、気を失うほどの熱量で届け届けと信じて歌ってるし。今のHOTSQUALLならそれができると思ってます。少なくとも、ライヴで出逢った人はひとり残らずハッピーで繋がれる。そして、その人にとって未来にまで、その感動を繋いでいけるほどやりきること。それがオレがHOTSQUALLのライヴを通して思い描く夢ですね。
interview by ヤコウリュウジ
Vol.1 Vol.2 アカマトシノリ