INTERVIEW DOMEN


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Vol.1 Vol.2 アカマトシノリ ドウメンヨウヘイ チフネシンゴ

-ドウメンヨウヘイ-

普段はフワッとした空気を漂わせながらも、ひと度ライヴが始まればパワフルかつテクニカルなプレイでサウンドの根幹を支えるドラマー、ドウメンヨウヘイ。X JAPANに魅入られてスタートした音楽人生はHi-STANDARDとの出会いが転機となり、試行錯誤を繰り返しながら、己のスタイルを確立していった。20周年を迎えた今、さらに攻めていきたいと静かに力強くその意志を口にする。

interview by ヤコウリュウジ

ドラム的に違和感がなかったというか、通ずる部分があると感じてた

――HOTSQUALLはみなさん幼馴染ということですけど、いつからの付き合いになるんですか?
ドウメン
アカマとチフネは小学校から一緒で、僕は中学校からですね。で、3年生のときにアカマは同じクラスでした。とは言っても、いつも遊んでるような仲ってわけでもなく、違うグループという感じだったかな。もちろん、お互いに知ってはいましたけどね。中学を卒業してから、地元の友達がなんとなくみんな集まる公園が近所にあって、そこでよく顔を合わせるようになりました。若かったし、まだみんな粋がってたころですね(笑)。
――そんな同級生と20年もバンドをやることになるとは想像もしてなかったですよね。
ドウメン
ホントにそうですね。最初、僕は音楽好きだった他の地元の仲間といち早く別のバンドをやってて。そのライヴを2人が観に来てくれたこともあったぐらい。元々、好きな音楽のジャンルも少し違かったんだと思いますけど、そもそもあの2人がバンドを真剣にやる感じだとは思ってなかったです(笑)。
――印象としてはそんな感じだったんですね。
ドウメン
はい(笑)。もっと違うことに興味がありそうな雰囲気でしたから。ただ、チフネはThe Beatlesが好きでギターを始めてたみたいで、他の仲間に誘われてバンドをやり始めたのがキッカケだったし。そのバンドにベースがいないからってアカマが誘われたみたいな(笑)。あの2人はヘヴィなバンドをやってましたよ。僕はさらにヘヴィなバンドをやってましたけど(笑)。その後、ハイスタに出会って衝撃を受けて、お互いのバンドの空き時間にハイスタのコピーをして遊ぶようになったんですけど、それが本当に楽しくて。それぞれのバンドがなんとなく解散して、そのときの3人がHOTSQUALLへとつながっていくという。
――当時、ドウメンさんはハードロックやメタルといったサウンドに惹かれていましたよね。そういったドラマーとしてやっていきたいという気持ちはなかったんですか?
ドウメン
確かに、HOTSQUALLの前にやってたバンドはそんなサウンドでした。ただ、元々はX JAPANが好きだし、ハイスタのコピーをしてたときも、勢いがある音の中でグッとくるメロディアスな曲が好みなんだと感じてて。ドラム的には違和感がないし、勢いあるものを叩きたいという部分では通ずるところがあるので、当初とまったく違うことをやり始めたという意識ではなかったです。
――人によっては自分のルーツをおもいっきり打ち出したプレイをする人もいるじゃないですか。でも、ドウメンさんはバンドにフィットするスタイルという印象があって。
ドウメン
そうかもしれないですね。でも、その中でも自分的にはその都度やりたいスタイルを反映させたりもしてて。例えばドラムを始めたときはYOSHIKIさん(X JAPAN)に憧れてツーバスだったんですけど、HOTSQUALLを始めたころはハイスタの影響でシングルペダルに変えたんです。で、それから2ndフルアルバム『BACKBEAT』ぐらいのときに、元々のスタイルであるツインペダルを採用して、今もそれで続けてたり。そこまでドカドカと踏むわけじゃないですけど、自分のルーツ的なアプローチを匂わせるのも面白いかなと思って。
――HOTSQUALLは凝り固まってないバンドだから、自分の好きな要素も反映できるし、不自由さみたいなモノはなく。
ドウメン
そうですね。バンドサウンドの性格に合わせてバランスは考えつつですが、かなり自由にやれてると思います。
――ドラムのフレーズに関して、どうやって作り上げていくんですか?
ドウメン
HOTSQUALLの曲作りは、大体まずチフネが原曲のメロディーを持ってきて弾き語って聴かせてくれるんです。そこでリズムやテンポのイメージもワーッと伝えてくれて。アレンジはドラムからしていくので、そこからリズムパターンやフレーズを考えます。でも、僕の場合、その曲のメロディーに合わせてどう料理していくのかというところが本当に難しくて。言われたモノを叩けないってことはないんですけど、そういうクリエイティブな部分はずっと僕の課題なんですよね。昔は苦戦しなかったところも、長くやってきたから引き出しが足りなくなってきてたり。そこをメンバーから指摘されることも多くて。正直に言うと、もうここ最近はずっとチフネがドラムの細かいフレーズも一緒にマンツーマンで考えてくれてますね。まず、伝えられたリズムパターンをPCで自分なりに打ち込んで、それをまたチフネに聴いてもらって「ここイメージと違うから、こういう風に変えてみて」みたいな部分をまた直して、そのやり取りで構築していく感じです。
――よくドラマーじゃない人が考えるアレンジって、人間じゃ叩けないようなフレーズもあると聞きますけど、そのあたりは?
ドウメン
あ~、そういう話も聞きますね。でも、そういうのはほとんどないですかね。チフネは打ち込みである程度出来上がったモノを聴かせてくるんじゃなくて、曲のイメージを言葉でニュアンスで伝えてくるんですよ。だから、それをどう叩くかは僕次第というところもあって。とにかく、クリエイティブな部分として、曲に合ったドラムのフレーズをちゃんとひとりでも考えられるように成長したいです。いちドラマーとして、ずっと僕の課題であり大きなテーマですね。

始めたてのころは我流だったし、何も考えてなかったんですけどね(笑)

――ドラムの音の追求はどうやってしていくんですか?
ドウメン
機材や細かいパーツのこだわりはもちろんありますが、いちばん大事なのは叩き方だと思うんですよね。僕の場合、スネアの音量と叩きムラが課題点としてずっとあって。いろいろと試してきましたが、その中でもフォームを修正した事がいちばん大きかったかなと。
――どういった部分を修正しました?
ドウメン
少しマニアックな話になっちゃいますが、右利きの場合、クロスでハイハットを叩くと、スネアを叩く左手とハイハットを叩く右手が交差する叩き方と交差しない叩き方があって。僕たち界隈だと交差しない人の方が多いんですけど。
――あ~、そう言われるとたしかにそうですね。
ドウメン
交差しないスタイルだと右手と重ならないから、しっかり振り抜けるんです。ドラムって、力を入れたからといって鳴るモノでもないし、振り幅としなりが重要。ただ、僕のスタイルだとそこが難しいこともあり、解決策としてより手を交差させるようにしました。具体的に言うと、左手の肘のあたりで右手と交差するぐらい。そうすると、左手をより大きく振り上げることができるから、振り抜きも強くなるという。試行錯誤して今の通ずるスタイルが出来上がってきました。もともとは誰に習ったわけでもなく、ドラムを始めたてのころは完全に我流だったし、何も考えてなかったんですけどね(笑)。
――ドラマーはステージのいちばん後ろに位置しますよね。もっと前に出たいといった気持ちはあります?
ドウメン
いや、基本的にはそれはあまりないですね。ただ、ここ数年、僕が叫んでる「ドメっていこうぜ!!」とかもそうですけど、よりライヴが盛り上がるような、お客さんが楽しんでくれるようなことならいくらでもしたいとは思ってますけど。ただ、例えばライヴが終わって、フロントのマイクでお客さんに感謝を伝えるだけでもなかなか緊張感があるんですよね。フロントに立ってる2人は凄いなと。ドラマーってドラムセットに囲まれてライヴをしてるじゃないですか。だから、その安心感に慣れてるというか(笑)。
――ハハハハ(笑)。ここは自分のスペースだ、みたいな。
ドウメン
そうなんですよ。最近、テレビとかでもドラムセットをアクリル板で囲ったりしてるのを目にしますよね。あれって、おそらくドラムは生音がデカいからそれが外に出ないように、ということだと思うんですけど、Twitterで誰かが「あれはドラマーが作り上げてる心の壁を具現化したモノだ」ってつぶやいてて(笑)。
――その気持ちはわかります?
ドウメン
凄くわかります。自分のテリトリーがはっきりしてるみたいな安心感があるんでしょうね、やっぱり。自分の世界というか、ドラマーってそういう性質があるな~と(笑)。

HOTSQUALLにとっていいライヴって、そういうのも超えたところにある

――では、少し視点を変えて、ドウメンさんから見て、長くやってきたメンバーであるアカマさんとチフネさんに対して、どんな風に感じてますか?
ドウメン
長いこと近くで見てきて、やっぱり凄く成長を感じてます。成長しようと努力してるというか。バンドインタビューでも出た話ですけど、まず2人には人生で大きな転機がありましたよね。就職した仕事を辞めてバンドをやるという決断をするときがあって。かなりの覚悟だったんだろうなと。その当時はそこまで気づくこともできなかったんですが……。それから2人ともプレイヤーとしてももちろんですが、バンドマンとしての有り様とか、よく生き様なんて言ってるけど、そういう部分の凄みが増してきてるのをビシビシと感じてましたね。一時期は怖いくらいの緊張感があったし(笑)。いいときも悪いときも、その都度とことん話し合ったりぶつかったりしながら経験を積んで、2人ともそれぞれの持ち場で成長していってるように感じてました。僕も置いていかれないように必死でしたが、やっぱり性格的な甘さもあって、迷惑をかけて怒られたこともたくさんありましたから。
――アカマさんはHOTSQUALLの顔であるとも言えると思いますが、ドウメンさんが求めるフロントマン像は?
ドウメン
何でしょうね……アカマっていうキャラクターは熱く吠えて、叫んでるような雰囲気があると思うんです。そこが肝というか。みんなが描いてるアカマ像もそうなんじゃないかな。MCとかの言葉も大事だけど、何よりも熱の入った声そのモノですべてを放って欲しい。昔はひとりで突っ走って上手く噛み合わないなんて時もありましたけどね(笑)。突っ走るのはいいと思うんだけど、自分の世界でじゃなくて、もっと高い次元でみんなにその熱量を伝えられるようになって欲しい。そういう話し合いをよくしていますし、そこは今は本人も理解してくれてると思います。
――近年、HOTSQUALLはメンバー間でこうあるべきだ、という意見をぶつけ合いますよね。
ドウメン
そうですね。他のバンドの内情を知ってるわけじゃないけど、僕らはとことん話し合うバンドだと思います。
――改めて意見を伝える際に照れたり、躊躇することがありませんか?
ドウメン
もちろん多少はありますけど、もはやそういう次元でもないというか。言いづらいこともはっきりと言い合おうと。僕はそんなに意見を言えるタイプではないんですけど、「良くなるために遠慮なく主張してくれ」とよく言われます。そんな風にぶつかってもそこで終わらないという、それは地元の同級生であり、ずっと同じメンバーでやってきた強みかもしれないですね。
――ただ、ビジネスライクなバンドの方が相手に強く求められる気もするんです。昔からの友人だからこそ、言いにくい部分があるのかなと。
ドウメン
う~ん……僕らは単純な友達というのとは違うのかな。地元の仲間が集まる時とかに一緒に遊んだりする方が逆に照れるというか。何でしょうね……ずっと一緒にやってきて、本当の意味で素でいられるのがHOTSQUALLになってるのかな。家族でも話しづらいことを言える関係だと思うし。生活面や性格的な問題とかでも、指摘されたら素直に受け入れようと思えますから。
――そこはしっかりと受け入れるんですね。
ドウメン
やっぱり、それぐらい信頼してます。当然、そこで拒んだり、言い訳したくなる自分も少しはいて。実際そういう態度をとってしまった時も過去にはあったし。でも、本当は彼らが言ってくれるなら間違いないとわかってるんですよね。誰よりも僕の良いところもダメなところもわかってくれてますから。
――では、チフネさんに対して思うことはありますか?
ドウメン
まずは、いつも本当にいい曲を書くなと(笑)。HOTSQUALLのほとんどの曲や歌詞を作ってて、どの楽曲も僕は大好きですから。制作面というか、クリエイティブな部分では全面的に信頼してお任せしちゃってますし。ある意味、彼のいちばんのファンはオレとアカマかもしれないですね(笑)。あと、バンドのあり方や活動面、それ以外の本当に細かい部分でも何かと最初に意見やアイディアを持ってきてくれますね。
――HOTSQUALLは基本はチフネさんのアイディアに基づいて活動していると?
ドウメン
その部分は大きいと思うけど、僕とアカマに必ず意見を求めてくれますよ。独断で進めるのは嫌みたいで、そこはあくまでバンドらしく、必ず話し合って決めようとしますね。
――ライヴに関してはどうですか?
ドウメン
アカマは感覚で熱を発して表現するタイプだから、ライヴ前からそんな感じなんですけど、チフネはブレイン的な立ち位置もあるから、いろんなところに目を配ってライヴに臨んでる感じがします。だから、ライヴ前にサラッと言う一言がその日のテーマになったり。まあ、いざライヴが始まっちゃうと、みんなそんな冷静にはやってないんですけど(笑)。まずみんなで目線を合わせて臨んで、その上で実際のライヴではぶっ飛んじゃうみたいな。HOTSQUALLとしてのいいライヴってそういうのを超えたところにあるんじゃないかと思ってます。あと、ギタリストとしてのチフネに関して言うと、彼のギターには完全にチフネサウンドというのがあって。それがカッコいいと思いますね。仲間や後輩のバンドマンたちからもよく言われてるのを聞きますし。これからもカッコいいギターをかき鳴らして欲しいですね。あとは、新曲やドラムのフレーズ作りでも頼りにしています(笑)。

今はそこを目指す感じではないですね。もっともっと攻めたい気持ちがあるから

――その中で、ドウメンさんご自身としてはこれからどうやっていきたいと考えてますか?
ドウメン
ドラムのプレイとしては、間とノリをもっと追求したいです。特に間を操れたら、ライヴもさらに良くなると思うので。ただ、そこは僕ひとりじゃできない部分でもあるし、バンドで相乗効果を生み出したいなと。
――バンドの活動方針やスタンスといったところに関しては?
ドウメン
そうですね……バンドの活動方針は僕はあまり語る立ち位置じゃないので。僕個人としては、性格的にかなりマイペースなので、知らないうちにみんなのペースを乱しちゃってるタイミングもよくあって。周りの状況や空気を感じながら動ける自分でありたいなと思ってます。そういうのを気づかせてくれたのもHOTSQUALLで。やっぱり、バンドが好きなんですよね。最近、『ボヘミアン・ラプソディ』や『SOUNDS LIKE SHIT : the story of Hi-STANDARD』を観て、やっぱりバンドって凄いなと改めて感じて。ずっと続けてこれたのも単純にドラムを演奏してられればいいというわけではなく、バンドが好きだからという気持ちの方が大きいですから。
――他に個人的な目標として何か考えてることはありますか?
ドウメン
今までは何かとメンバーに頼ってた部分もあるので、自分自身で何かをできるようになりたいですね……実は先日、ひとりでイベントをやったんです。誕生日にD’z GROOVEっていう僕のワンマンで(笑)。不安でしたが、ひとりでも来てくれるお客さんがいるなら、その人に最高に楽しんで帰ってもらうという、強い思いでやりました。いつもなら3人いるけど、この時は準備から何から全てひとり。正直、相当な覚悟で臨みましたが、結果、来てくれたみんなが良かったとか楽しかったと言ってくれて本当に感無量で。いい経験になりました。またやりたいし、今後は他にも自分から動きたいと思ってて。それがバンドの為にもなるだろうし。このインタビューでも何度も言ってきましたが、自分の課題ははっきりしてきてるので、あとはやるだけです。
――では、最後にバンドとしてはどうやっていきたいと考えていますか?
ドウメン
何だろうな……ただ長く続けていくことが目的ではないんですよね。どういう形であれ、続けるのは素晴らしいことだと思うけど……やっぱり、ちゃんと勝負できるバンドであり続けること。そこが目標ですね。例えば、おじいちゃんになって、僕がカホンを叩いて、バーとかでアコースティックライヴをしてるっていうのも全然アリですが、今はそこを目指す感じではないですね。もっともっと攻めたい気持ちがあるから。この先、はたしてどこまでいけるのか。気持ち的にも体力的にも。もっと若いときと比べたら、時間も無いし、どこかが崩れる可能性だってあるし。だからこそ、今こうして動けるんだったら、ひたすら前を向いて攻めていきたいんです。
interview by ヤコウリュウジ

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